ポットオッズを覚えて勝率UP!初心者でも絶対分かる戦略解説!


みなさん、テキサスホールデムでコールするかどうか迷った場合、自身のハンドだけを見て漠然と意思決定をしていませんか?ポットオッズを覚えると、コールするか、しないか、を戦略的に決めることができるようになります!YouTubeでも有名な実力者、世界のヨコサワ、しゅんぽーかー、じぇいそる、彼らはもちろんポットオッズを計算してプレイしています!ポットオッズを覚えて上級者にステップアップしちゃいましょう!
ポットオッズとは?
テキサスホールデムにおけるポットオッズ(POT ODDS)とは、そのゲームでの全プレイヤーのベット額の合計である『ポット総額』に対する、これから行う『コール額』の割合のことです。
例えば、ポットに$10ある状態で、あなたの直前のプレイヤーが$5をベットしたとします。その時点で、『ポット総額』はポットの$10と直前のベットの$5を足して$15となります。あなたがコールする場合、『コール額』は$5になりますね。つまり、下記の通りとなります。
- ポット総額:$15
- コール額:$5
この場合のポットオッズを欧米式に記述すると「$15:$5」またはその比率で「3:1」や「1to3」などと表記します。
日本で良く使われる表記の場合はちょっとアプローチが異なり、勝利した場合の配当とベット額の比率で考えます。上記の例で勝利すれば配当は$20(自身のベット額も含むので)となります。$5のベットで4倍の$20が配当となるので、ポットオッズは4倍となります。式にすると下記のようになります。
ポットオッズの倍率計算
(ポット総額 + コール額) / コール額 = オッズ倍率
上記の例をこの式に当てはめると、このように4倍というオッズが導き出されますね。
(15 + 5) / 5 = 4(倍)
また、ベット額の$5は配当額$20の25%に当たるので、ポットオッズは25%と言うこともできます。ちなみに、パーセントで考える場合は下記の式で算出できます。
100 / 配当倍率 = %
つまり、100 / 4(倍) = 25(%)ですね。
で、このポットオッズをテキサスホールデムのプレイにどう活用できるのでしょうか?実は、ポットオッズを利用するにはもう一つの考え方である アウツを覚える必要があります。
ポットオッズはテーブル上にある全チップとコールに必要なチップの割合!どの表記にも対応できるよう訓練しましょう!
ポットオッズに関係するアウツとは?
アウツ(OUTS) とは、ハンドを完成させるために必要なカードのことです。下記のハンドを見て、あとどのカードがあればハンドが揃うか分かりますか?
コミュニティーカード
ホールカード
これは簡単ですね。6789と揃っているので両端の5または10があれば、ストレートが完成します。
つまり、この場合のアウツは555510101010の8枚となります。
余談ですが、6789のように、4連番のカードで両端のいずれかが来ればストレートになる形を「オープンエンドストレートドロー」と言います。
しっかりとハンドを見極められればアウツ自体を導き出すのは簡単ですね。ただし、ポットオッズと合わせた戦略においては、アウツが出現する確率計算が重要となります。
上記の例で説明すると、アウツは8枚、自分で見えているカードは5枚ですね。次のラウンドであるターンで更に1枚のコミュニティーカードが追加されるのですが、アウツが出る確率は下記の通り計算できます。
8 ÷ 47 = 0.1702 = 約17%
8はアウツの枚数ですね。47は全てのカード52枚から見えているカード5枚を引いた数です。つまり、見えていない残りのカードの中から1枚のカードを引いた場合に、8枚のアウツのいずれかが出る確率(8/47)がアウツの出現率という事です。
ターン及び、次のラウンドであるリバーまででアウツが出る確率は、ターン時点での確率の倍となる約34%となります。ターンとリバーで1枚ずつカードが開示されるので、単純な計算ですね。
テキサスホールデムで使用するカードはワンデッキ、つまり1セットのトランプなので全部で52枚となります。
計算を簡単に!「4倍と2倍の法則」
割り算が苦手な人にとっては、アウツの出現率を計算するのはちょっと面倒ですよね。そこで活躍するのが「4倍と2倍の法則」です!
「4倍と2倍の法則」を使えば簡単な掛け算でおおよその出現率を計算することが出来ます。やり方は簡単、フロップでは「アウツの枚数×4」、ターンでは「アウツの枚数×2」とするだけです。
上記の例では、フロップでアウツが8枚なので、8×4=32(%)となります。割り算で計算をすると約34%なので、多少の誤差はありますが計算はずっと楽ですよね!
オッズが合う?合わない?
ここまでで、ポットオッズとアウツの考え方は理解できたと思います。では、この2つをどのように利用して戦略を練れば良いのかを解説していきます。
テキサスホールデムでは、「オッズに合う」または「オッズに合わない」などという考え方があります。実は、この考え方の元となるのがポットオッズとアウツ(の出現率)なのです。
ポットオッズが4倍であれば配当が4倍なので、4回の勝負で1回でも勝利できれば損はしません。つまり、ポットオッズが4倍の場合、25%を超える確率で勝てると思えばコールをしても良いということになります。25%の勝率であれば、確率論的には4回に1回は勝てるわけですから。
ここでいう勝率というのはアウツを引ける確率のことです。「アウツを引く確率はハンドが揃う確率であって、勝てる確率ではないのでは?」と思いますよね?確かにその通りです、アウツを引いても相手がより強いハンドを持っていれば負けてしまいます。
なので、アウツを引けば勝てると仮定した場合の話となります。そもそもアウツを引いても負けるかもと思うようなハンドであれば、勝負をせずにフォールドすべきだからです。もちろん、それを見極めるには経験と知識が必要になりますが、それはひとまず置いておいてください。
はい、話を戻して「アウツを引く確率=勝率」として進めますね。アウツの解説で挙げた例を思い出してください。フロップの時点で6789(オープンエンドストレートドロー)がある場合、リバーまでにアウツを引ける確率(すなわち勝率)は34%でしたね。この状況で、ポットオッズが4倍(25%) であれば、勝率(34%)がポットオッズ(25%)を上回っているので、コールをして勝負を続ける選択が正しいということになります。
このように、勝率がポットオッズを超えることを「オッズが合う」と言います。逆に勝率がポットオッズを下回れば「オッズが合わない」と言います。ポーカーで戦略を練るうえでの基本的な考え方なのでしっかり覚えて活用しましょう!
オッズが合えばコール、オッズが合わなければフォールド、といったように戦略的にコールの判断が出来るようになりましたね!
オッズチャートを活用しよう
ここまで、ポットオッズやアウツを引く確率の計算方法を解説してきましたが、ゲーム中にあれこれ計算するのはしんどいですよね。そんな時に活用したいのがオッズチャート(オッズの早見表)です。
下記のチャートはアウツの枚数と、ターンやリバーでそれを引く確率を表したものです。ターンよりリバーの方が若干確率が上がっていますが、リバーの時点では見えているカードが1枚増えているからです。また、合算というのはターンとリーバーを通して計算した確率です。
%の項目は、そのまんまアウツを引く確率です。オッズの項目はそれに対応したポットオッズです。ポットオッズの説明で「欧米式」と紹介した表記で、自分のベット額を1とした場合のポットの総額との比率になっています。
ターン | リバー | 合算 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
アウツ | % | オッズ | % | オッズ | % | オッズ |
1 | 2.1% | 46.00:1 | 2.2% | 45.00:1 | 4.3% | 22.26:1 |
2 | 4.3% | 22.50:1 | 4.3% | 22.00:1 | 8.4% | 10.90:1 |
3 | 6.4% | 14.67:1 | 6.5% | 14.33:1 | 12.5% | 7.00:1 |
4 | 8.5% | 10.75:1 | 8.7% | 10.50:1 | 16.5% | 5.06:1 |
5 | 10.6% | 8.40:1 | 10.9% | 8.20:1 | 20.3% | 3.93:1 |
6 | 12.8% | 6.83:1 | 13.0% | 6.67:1 | 24.1% | 3.15:1 |
7 | 14.9% | 5.71:1 | 15.2% | 5.57:1 | 27.8% | 2.60:1 |
8 | 17.0% | 4.88:1 | 17.4% | 4.75:1 | 31.5% | 2.17:1 |
9 | 19.1% | 4.22:1 | 19.6% | 4.11:1 | 35.0% | 1.86:1 |
10 | 21.3% | 3.70:1 | 21.7% | 3.60:1 | 38.4% | 1.60:1 |
11 | 23.4% | 3.27:1 | 23.9% | 3.18:1 | 41.7% | 1.40:1 |
12 | 25.5% | 2.92:1 | 26.1% | 2.83:1 | 45.0% | 1.22:1 |
13 | 27.7% | 2.62:1 | 28.3% | 2.54:1 | 48.1% | 1.08:1 |
14 | 29.8% | 2.36:1 | 30.4% | 2.29:1 | 51.2% | 0.95:1 |
15 | 31.9% | 2.13:1 | 32.6% | 2.07:1 | 54.1% | 0.85:1 |
16 | 34.0% | 1.94:1 | 34.8% | 1.88:1 | 57.0% | 0.75:1 |
17 | 36.2% | 1.76:1 | 37.0% | 1.71:1 | 59.8% | 0.67:1 |
18 | 38.3% | 1.61:1 | 39.1% | 1.56:1 | 62.4% | 0.60:1 |
19 | 40.4% | 1.47:1 | 41.3% | 1.42:1 | 65.0% | 0.54:1 |
20 | 42.6% | 1.35:1 | 43.5% | 1.30:1 | 67.5% | 0.48:1 |
さらに上級者の思考インプライドオッズ
インプライドオッズ(implied odds)とは、以降のベットラウンドで追加されるベット額まで考慮したポットオッズのことです。
具体例を挙げて説明していきます。フロップで下記のような状況となっています。実際のプレイでは相手のカードは見えませんが、今回は解説の為に相手のハンドが分かっている(推測ができている)ものとします。
- コミュニティカード:2910
- 自分:78
- 相手:AA
- ポット:$20 / 相手のベット:$10
ポットは$20、直前のベットは$10とします。この状況でコールをすべきか、まずは通常のポットオッズで考えてみましょう。
ポットオッズの倍率計算
(ポット総額 + コール額) / コール額 = オッズ倍率
オッズ倍率を計算するこの式に当てはめてみます。ポット総額はポット+直前のベットで計$30、コールに必要な額は$10です。
(30 + 10) / 10 = 4
ポットオッズは4倍となりますね。パーセント表記だと、25%になります。
既に解説したように、このポットオッズはアウツを引く確率と一緒に使用します。
自分のハンドは78910でストレートの一歩手前です。
両端にあたる6またはJのどれかが揃えばストレートが完成するので、アウツは計8枚と言う事になります。解説した通り、アウツが8枚の場合、ターンで出現する確率は17.0%ですね。
オッズが25%で、アウツを引く確率が17%なので、「オッズが合わない」と判断し、フォールドするのが正解となるわけです。ここまでが、通常のポットオッズの考え方です。これを踏まえて、インプライドオッズを考えてみましょう。
先にも述べた通り、インプライドオッズは次のラウンドでのベット額も考慮します。なので、オッズは合いませんがコールをして次のラウンドに進んだ場合にどうなるかを考える必要があります。
以降のラウンドでアウツが引けないで負けることを想定しても意味が無いので、アウツを引いてストレートが完成した場合で考えます。
ターンラウンドでJがドローされ、ストレートが完成したと仮定しています。相手はリバーラウンドでアウツを引けたとしてもスリーカード止まりなので、ストレートでの勝利は確定ですね。
- コミュニティカード:2910J
- 自分:78
- 相手:AA
- ターンラウンド開始時のベット総額は$40です。
この流れの場合、なるべくベット額を吊り上げてより多くのチップを手にしたいですよね。どうしたらより多くのチップを獲得できるかを考えてみましょう。下記の流れはその一例です。
- ターンでJがドローされストレートが完成
- 自分:チェック
- 相手:$10をベット
- 自分:$10をコール
- リバーで3がドロー(ここは何が来ても変わらず)
- 自分:チェック
- 相手:$10をベット
- 自分:$20のレイズ
- 相手:$20をコール
- ショーダウンで自分の勝利
- ターンラウンド開始時のベット総額$40に加え、$10+$10+$10+$20+$20で、終了時のベット総額は、$110となっています。
自分がまず「チェック」を選択しているのは相手を降ろさせない為で、最後の最後でレイズをしてベット額を引き上げました。
このように仮定した場合、最終的に$110のチップを獲得することになります。通常のポットオッズの計算では、獲得するチップは$40で計算したので、オッズが合いませんでした。しかし、$110を獲得できると想定してオッズを計算するとどうでしょうか?
$110 / $10 = 11(倍)となります。
11倍をパーセンテージにすると、
100 / 11 = 約9.1%
となり、アウツが引ける確率が17.0%なので「オッズが合う」と考えることができます。このように、先のラウンドでベット額を引き上げることまで想定して導き出すベットがインプライドオッズです。
ただの都合の良い皮算用では?と思うかもしれませんが、相手のハンドを読む力とベット額を吊り上げる駆け引きによって、皮算用ではなく現実味のある戦略として使用することができます!
まとめ
ポーカーの上達にかかせないポットオッズの説明をしてきましたが、ポットオッズはひとつの判断材料にすぎません。この材料を十分に活かすには、相手のハンドを読む力が必要となってきます。その技術に関してはまた別の記事でご紹介できればと思います。まずは、今まで漠然と判断していたコールの判断に基本的なポットオッズの考え方を活かしてみてください!きっと、ポーカーが今よりもずっと楽しくなるかと思います!
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